第1子出産前後における女性の家族関係の認識 : 私・夫・子の三者関係の視点から
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概要
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本研究は,三者関係の視点から家族に対するアプローチへの示唆を得るため,第1子出産前後における女性の認識する私・夫・子の三者関係とそれに影響する要因を明らかにすることを目的とした。女性の認識する三者関係を明らかにするにあたっては,人間関係モデルであるソシオン理論の考え方を枠組みとした。データは,分娩後の入院中と産後2ヵ月に自己記入式質問紙と半構造化面接より収集し,1回目は妊娠末期と分娩後について,2回目は産後2ヵ月についての回答を求めた。14名より研究の参加に同意が得られ,三者関係が心理的緊張状態にあると認識していた女性は,妊娠末期4名(14名中),分娩後2名(14名中),産後2ヵ月4名(12名中)であった。また内容分析から,三者の関係性にマイナスに働いた要因として,各時期に共通して【夫が子に関心が薄い】や,妊娠末期では【私の体調不良・精神的不安定】,分娩後では【出産体験のネガティブな受けとめ】,産後2ヵ月では【子どもの泣きに対するネガティブな受けとめ】などが抽出され,女性と夫の思いを調整するなどの支援が必要であることが示唆された。