真如苑「青年部弁論大会」にみる自己の構成と変容 : 新宗教研究への自己物語論的アプローチの試み
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
新宗教教団の一つである真如苑では、毎年「青年部弁論大会」が開催されている。われわれはこの行事から、「弁士」の語る「弁論」が数ヵ月間に渡る他者との相互行為の中で作り上げられていく、という過程を観察することができる。それは、本来ならば語り手のみが語りうるはずの弁論が、他者の解釈を大幅に受入れることにより構成されていくにもかかわらず、弁士にとって真正で絶対的な自己として最終的に語られるようになっていく、という一見パラドキシカルな過程である。確かにこうした過程は、一見奇妙に思えるのだが、むしろそうした他者との相互行為があるからこそ自己は構成/維持されるのだ、というのが本論の出発点となる。それを踏まえた上で、日常的に営まれている信者間の相互行為が、自己の構成をめぐってどういったダイナミズムを示すのかを、この事例を通し具体的に記述し考察していく。
- 「宗教と社会」学会の論文
- 1998-07-06
著者
関連論文
- 著者からのリプライ2(宗教社会学における調査研究の課題と実践-秋庭裕・川端亮『霊能のリアリティへ』(2004)、芳賀学・菊池裕生『仏のまなざし、読みかえられる自己』(2006)書評セッション-,テーマセッション1,2007年度学術大会・テーマセッション記録)
- F.物語と「私」self : インタビューという相互行為場面に着目して(II.午後4報告と討論,新・宗教研究の課題と展望,ワークショップ(3),2001年度ワークショップ記録)
- 真如苑「青年部弁論大会」にみる自己の構成と変容 : 新宗教研究への自己物語論的アプローチの試み