PL教団における妻・母役割の構造 : 敗戦から高度経済成長期にかけての変容
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概要
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本稿は、宗教が家族の変容に対してどのような意味づけを行うかを特に女性の性役割に焦点をあて考察することを目的としている。ここでは新宗教の一つであるPL教団をとりあげ、その「夫婦」を重視する教えに着目し、その背景にある問題と教団の意図を考える。教団の男女観はその夫婦観が反映されたものであり、女性の性役割のなかでは妻役割を非常に重視している。夫婦という構造のなかで「妻」はどめような意味をもつのであろうか。戦後、社会状況また女性の意識や生活形態は著しく変化した。高度経済成長期以降、子供に対する関心の高まりから教団では女性に「母」としての役割を強調していくが、この妻と母という役割にはどのような関係性があるのだろうか。そして、この妻・母役割の構造は教団の世界観にどのように位置づけられるのかを考察したい。
- 「宗教と社会」学会の論文
- 1996-06-15