フランスにおける地方分権と地域開発政策の変容
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概要
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フランスでは1960年代,1970年代にかけて中央政府の強力なリーダーシップによる地方への分散策を中心とした地域開発政策が展開された.その後1981年のミッテラン改革により地方分権が推進され,地域開発に関わる主たる権限は「地域圏」へ委譲されることになった.フランスは,人口規模の小さな基礎自治体が非常に多い国としても知られるが,1990年代には,地域のつながりを重視しつつ広域的な行政サービスを実現すべく「ペイ」政策が実施された.現在のフランスでは,「地域圏」と「ペイ」が中央政府に代わる新たな地域開発主体として,重要な役割を果たすようになってきている.21世紀をむかえてフランスでは,新たな施策として,「競争力の極」政策が登場してきた.これは,グローバル化やEU統合の進展下においてフランスの地域経済の競争力を強化することを意図したものであるが,パリ地域に「世界的な極」が集中している点は注目すべき変化といえる.
- 2009-09-30