日本農業の構造変容と地域農業の担い手(<特集>食と地域振興)
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概要
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第2次世界大戦後における日本農業の変遷過程を,1970年以前の伝統的農業期と1970年から1980年代までの兼業浸透期,そして1990年以降の農業再編期に分けることができる.農業再編期の現在では農業がさまざまな課題を抱えているが,なかでも誰がどのような形でこれからの農業を担っていくかが最も深刻な問題となっている.そこで,北陸地方の稲作地域における農業の担い手の可能性を探った.北陸地方では富山県と福井県で集落営農によって農業の維持・発展をめざすという特徴があり,新潟県では認定農業者による多数の中規模専業的家族経営と一部の大規模借地経営に依存する傾向があり,石川県では集落営農と認定農業者による専業的経営が併存するという状況にある.そこで,新潟県上越市頸城区の2つの大規模借地経営と富山県入善町の集落営農を事例とし,それらの形成過程と農業経営の特徴,そして地域農業維持に果たす役割について検討した.大規模借地経営であろうと集落営農であろうと,経済活動としての農業を企業的経営感覚で進めることが必要である.それとともに,農業経営者が地域社会と連携して,地域の環境保全と経済の発展を目指すのみならず,社会・文化の充実を実現していくという姿勢が重要である.
- 経済地理学会の論文
- 2007-03-30
著者
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