合宿運転免許市場における取次窓口店の分布 : 地方の自動車教習所への顧客獲得戦略

概要

論文の詳細を見る
本稿では,合宿運転免許市場で教習所と申込者の仲介活動を行う一企業の取次窓口店(以下,窓口店)を対象として,その地域的展開を企業の経営資源や経営方針に焦点を当てて詳細に分析した.窓口店の立地展開について検討し,当該企業ではまだ実施していない既存店の見直しという観点から,優良窓口店の属性および全窓口店の業種や立地する地域属性と顧客の空間的分布の関わりについて分析した.結果,以下のことが明らかになった.(1)研究対象企業が行ってきた窓口店の展開過程において,小さな経営資源で活動エリアを拡大できた要因には代理店の有効活用がある.(2)代理店の活用を含め,経営方針に基づいた全体の窓口展開には,階層パターンと近接パターンの混合した展開がみられ,代理店の窓口展開には近接パターンの展開がみられた.(3)優良窓口店は商業地域に立地する窓口店の割合が最も大きく,なかでも学校周辺地域という要素が大きな意味を持っている.(4)窓口店のなかでも書店・古本店,ビデオショップの顧客分布は狭く,コンビニエンスストアや学校の顧客分布は広範囲に拡がる.これらは地域属性によっても異なる顧客分布を示した.
2006-09-30