過重労働による健康障害へのアプローチ(合同シンポジウム:職場のメンタルヘルス-心身医学からの挑戦-,2009年,第1回日本心身医学5学会合同集会(東京))
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概要
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職業性ストレスと疾病との関連性についてさまざまな研究がなされており,仕事のデマンド・コントロール・ソーシャルサポートのモデルや努力・報酬モデルが有名である.過重労働としては,労働時間が心筋梗塞と関連することや,交替制勤務が心疾患のリスクを高めるという報告もある.これまでわれわれは,このような過重労働と健康障害とを関連づけるものとして,自律神経機能に主に着目して検討してきた.今回われわれは,交替制勤務に従事する男性健常者の昼勤務従事時期と夜勤務従事時期の睡眠中の心臓自律神経機能を評価し,交替制勤務が心臓自律神経機能に与える影響について検討した.電子精密機器製造業で2交替制勤務に従事する男性健常者9名(46.3±4.2歳)を対象に,脈波計(DENSO CORP.)を用いて昼勤務開始時,終了時,夜勤勤務開始時,夜勤務中の各2週間の睡眠中の脈波変動を測定し,高周波成分(HF)を分析した.1回の睡眠中のHFの平均値をその睡眠のmeanHFとし,昼勤務開始時のmeanHFに対する各測定期間のHF比をrHFとして,各測定期間のmeanHFの変化を評価した.休日の睡眠中のmeanHFは各測定期間で差はなかったが,昼勤務から夜勤務に変わった直後では,労働後の睡眠中のmeanHFは低下する傾向にあり,夜勤務開始後3ヵ月の労働後の睡眠中のmeanHFは昼勤務開始時と昼勤務終了時より高かった.昼勤務と夜勤務という労働形態の変化は,睡眠中の心臓副交感神経機能を変化させることが示唆された.
- 2010-07-01
著者
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