鼻炎症状と喘息症状の連関についてのアンケート調査

概要

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【背景】アレルギー性鼻炎などの鼻疾患と気管支喘息は,互いに影響することがよく知られている.しかし特に我が国で,鼻疾患と喘息の連関に関する疫学的データは少ない.今回我々は,鼻症状と喘息症状の連関の頻度及び特徴を調査する目的で,アンケートを行った.【方法】鼻疾患(アレルギー性鼻炎・花粉症・慢性副鼻腔炎)と喘息を合併する126名を対象に,アンケート調査により,鼻症状と喘息症状の連関の頻度を検討した.またどのような患者で,鼻症状の変化によって,喘息症状が影響されるかについても,同時に検討した.【結果】38名(30%)で,鼻疾患の悪化に伴って喘息が悪化することを自覚していた.一方,28名(22%)で,鼻治療により喘息が改善した.鼻症状の変化が喘息症状に与える影響は,喘息コントロールが良くない患者で有意に強かった.また,副鼻腔炎のある患者で両者の連関はより強い傾向にあった.【結語】鼻疾患と喘息を合併する患者において,約30%で両者の連関を自覚していた.鼻に対する治療は,通年的に喘息症状がある患者で特に,喘息コントロールに重要と考えられた.上下気道にわたる包括的なアレルギー診療の重要性が示唆された.
2010-06-30