高次なサービスの構造と学習理論に基づくサービス学習 : 暗黙知の習得から状況論的アプローチへ
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概要
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本研究の目的は,経済学のモジュール化理論を用いて高次なサービスの構造を明らかにするとともに,その構造に基づき,高次なサービスの学習方法について有効な学習理論を提示する点にある.その前段階として,ホスピタリティの概念と類似性がある「配慮行動」を,「相手を喜ばせるため,外的報酬を求めず,コストをかけて,自発的に行う行為」と操作的に定義し,本稿での鍵概念とした.経済学のモジュール化理論を援用し,高次なサービスとは,「配慮行動」「配慮行動を伴うサービス」「標準化されたサービス」の3タイプのモジュールを構成要素とするインテグラル型アーキテクチャ(相互に連関性を持つモジュールによって構成される複合体)であることを理論化した.その上で,サービス提供者が高次なサービスを習得するには,モジュールごとに異なる学習方法があることを学習理論から導いた.具体的には,身体技法を含む「配慮行動」は「わざ言語」による習得,「配慮行動を伴うサービス」は模倣学習,「標準化されたサービス」にはマニュアル型学習が有効であると考えられる.一方,高次なサービスを成立させるためには,配慮行動とサービスをつなぐサービス提供者の構成力が重要であることに着目し,モジュール同士を連結する,いわば「インターフェイス」の習得方法についても状況論的アプローチの学習理論から明らかにした.
- 2009-12-31
著者
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