西南日本におけるタケ・ササのタケノコを食樹とするヤガ科幼虫
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
西南日本に分布する、自生および栽培後放棄状態のタケ・ササ類のタケノコを被食する鱗翅目幼虫を調査した。合計13種のタケ・ササより、合計4026本のタケノコを解剖し、300個体以上の幼虫を採取した。 20℃および15℃で飼育を試みた後に、羽化した成体の形態より種の同定を試みた。モウソウチクからは、1個体の雌が羽化した。ハチクからは、1個体の雌と2個体の雄が羽化した。マダケからは2個体ずつの雌と雄が羽化した。これら全8個体は全て形態的には同一で、ヤガ科のハジマヨトウであった。モウソウチク、ハチクおよびマダケのタケノコからは、ハジマヨトウとは明らかに異なる幼虫はみられなかった。リュウキュウチクからは2個体の雌が羽化した。成体の特徴的な形態からは、未記載種ないしは、ヤガ科のミヤケジマヨトウに近縁の未記載亜種だと思われる。チシマザサからは1個体の雌が羽化し、それはヤガ科のサッポロチャイロヨトウであった。サッポロチャイロヨトウの食樹がチシマザサであることが判明した。この3種のヤガ科の穿孔性幼虫においては、羽化にまで至らなかったどの幼虫段階および蛹にもハチやハエの寄生を示すものはみられなかった。
- 2003-10-06
著者
関連論文
- 西南日本におけるタケ・ササのタケノコを食草とするヤガ科カラスヨトウ亜科5種の幼虫からみた生態と分布
- 西南日本におけるタケ・ササのタケノコを食樹とするヤガ科幼虫
- 草本群落を用いた環境教育 : 草本の生活形からみた水田環境
- 兵庫県における環境教育を主とした総合学習のための野外活動の場 : 自然公園と天然記念物
- 東アジアの主な天然森林型に見られる植相と土壌相の階層構造とそれに基づいた環境教育
- タケ林のキノコをとおしてみる環境教育
- 森林の階層構造と環境教育
- Analysis of Forest Ecosystems : Vertical Structure of Woody Plants and Mushrooms in Substitutional Forests
- Analysis of forest ecosystems : Vertical structure of woody plants and mushrooms in summer green forests
- 森林生態系の解析 : 常緑広葉樹林における垂直構造
- Habitat Segregation and Cultural Preference of Lampteromyces japonicus and Armillariella mellea