スラウェシ産ミツオシジミHoraga属の1新種
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概要
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インドネシア・スラウェシ島南部及び中部で得られたミツオシジミ属の1新種,Horaga sohmaiを記載した.本種は同島で活躍されていた相馬州彦氏によって発見されたものである.本種は♂後翅表面に性標を備える点,及び♂ゲニタリアが良く似ている点でHoraga amethysta H.H.Druce,1903に近縁と考えられるが,♂表面地色の青色は光沢がありしかも前後翅のコントラストが強い特異な色調であるため,翅斑紋のみでH.amethystaをはじめ本属の他種との識別は極めて容易である.♀は本属の中に表面の翅斑紋がよく似た種が存在するので,識別には裏面斑紋,色相などを慎重に比較する必要があろう.ただし,スラウェシ島からは現在までに本種と混同の恐れのある種は発見されていない.なお,Cowan(1966)はH.amethystaのニアス産亜種isnaの♂ゲニタリアを図示したが,ボルネオ産原名亜種のそれと比較するとisnaはかなり特化しておりamethystaの亜種とするよりは独立種の可能性の方が高いと考えられる.ただし,現在までにisnaの標本を所見する機会が無かったのでこの問題については将来の課題としたい.
- 2001-06-30