ギフチョウの蛹化時における造巣習性
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概要
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ギフチョウを半自然状態で飼育したところ,観察台上でまたは蛹化準備中の幼虫の計10個体を観察できた.これらのうち少なくとも5例は,多少とも粗い縞状もしくはメッシュ状,クモの巣状に糸が張られた中で蛹となっていた.この事実から,本種には蛹化時に巣を造る習性のあることが確かめられた.これは外界と遮断するための蛹室の形成を示すものと思われるが,糸自体はきわめて脆弱である.こうした造巣習性は種としてばかりでなく,本種が所属する属あるいは族のレベルで初めての報告と思われ,系統的な視点からもきわめて興味深い.
- 2001-06-30
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