無形資産に関する米国の視点と日本での応用可能性
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概要
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無形資産が経済価値を生む原理には,「個別資産の経済価値の増大」と「資産の組合せによる経済価値の増大」とがある.人的資産に焦点を当てれば,前者は「従業員の能力を引出す」こと,後者は「従業員の協働を促す」ことに置き換えることができる.さらに,前者は,会計情報の意思決定誘導機能,後者は意思決定支援機能と密接に関係している.米国の管理会計研究は,「従業員の能力を引出す」ために,会計情報を用いて意思決定を誘導する機能について多くの成果を上げてきた.その一方,「従業員の協働を促す」ために,会計情報を用いて意思決定を支援する機能については十分に理解されていない.むしろ,日本において,意思決定の支援機能を研究する可能性が大きい.日本の実務が「従業員の協働を促す」ことを重視するからである.さらに,意思決定の支援機能と誘導機能との相互作用についても,研究の可能性が大きい.
- 日本管理会計学会の論文
- 2009-03-31