多様性を活かすマネジメントスタイル : 第一三共の経営統合を事例として
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概要
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第一三共(株)は三共(株)と第一製薬(株)が経営統合し誕生した国内大手製薬企業であるが,その経営統合にあたり統合前企業の伝統に捉われない,多様性を活かし,企業のありたい姿の実現を目指した新たなマネジメントスタイルおよびシステムを構築し運用を開始した.このマネジメントスタイルとそのシステムは以下の特徴を有している.第一に,一気通貫のマネジメント実現のために企業理念から個別業務システムまで一体的体系を構築し,経営ビジョンの達成を図っている.第二に,各執行組織の自律性を重視し,各場面でイノベーションを促進すると同時に,企業のベクトルを整合し組織力を高めることを狙っている.第三に,第一三共固有の12構成要素からなるPDCAサイクルを廻し,継続的な価値を創出している.第四に,環境変化の激しい時代に応え社会的責任を果たすために,ステークホルダーの視点での継続的な業務評価を行い,内部統制も同時に実現している.最後に,全体最適化や課題対応/リスク管理のためにスタッフを配置し機動的なマネジメントサポートの仕組みを整えている.
- 2008-03-31