米国会計基準ならびに国際会計基準における研究開発費の特性に関する考察
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概要
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この論文の目的は米国会計基準(U.S.GAAP)と国際会計基準(IAS)における会計数値の違いを分析することにある。米国においても、ニューヨーク証券取引所において外国企業の国際会計基準の適用が例外として認められており、二つの会計基準による財務諸表の違いを理解することは、今後重要性を増すものと考えられる。本稿では統計的モデルを用いて、研究開発費の会計数字の違いを理論的に明らかにしようと試みた。定常状態企業では、2つの会計基準のもとで、同一の利益を計上する。資産については、開発費の資産化により、IASにおける数値が大きくなる。このため、総資産利益率はIASでの数値が小さくなる。一方、負債比率は同様の理由でIASにおける数値が小さくなる。また、利益の分散はIASのもとでより大きくなる。成長企業については、IASのもとで、利益はより大きく表示される一方、株価収益率はより小さくなる。
- 2002-01-31