売上高差異を数理的に二分する方法
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概要
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売上高は経営活動を測定するための主要な指標でもある.その目標と成果といった2つの売上高間に発生した差異(売上高差異)を分析するのに,売上高を2つの要因の積で定義した差異分析が広く行われている.その技法としては一般に,伝統的な方法である三分法または二分法が利用されている.しかし,それらの分析には疑問があり,これまで先達によって適正に分析する方法の開発が試みられてきたが,未解決であると言えよう.本論文では,このような問題意識に基づき,最初に,売上高の管理形態を要素と要因に基づいて分類し,売上高差異分析の意義を明らかにした.次に,従来の主要な方法4つを再検討して,いずれの方法も欠点を内包しているため,売上高の差異分析に適用できないことを明らかにした.その次に,売上高差異を,ベクトル解析を利用して,数理的方法により各要因に適正に配分する方法(公式)を開発し提案した.最後に,この提案した方法が有用であることを数値例により確認した.提案した方法を用いると,売上高差異を数理的に適正に分析できるので,売上高とその要因を一層明確に管理することができる.
- 日本管理会計学会の論文
- 2000-09-30