コスト・マネジメントのための業績評価 : 「工数」の本質と役割(<特集>業績評価)

概要

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原価企画と原価改善は,競争戦略をサポートする原価管理のメソッドとして,かなりの評価を得てきた.しかし,これらの手法を活かすために是非必要なことは,組織内での資源の消費を効果的に削減するためのポリシーを提示し,フィードバックを用意するための内部原価情報システムをもつことである.この論文は,まさにそのようなシステム,つまり工数リポーティング・システムについて探求したものである.そのシステムには,各職能ごとに様々な作業にかかる時間を把握することによって,エネルギー変換コストという視点で資源の消費をモニターすることが含まれている.これによって,資源の消費を目に見えるものにするのである.また,所要時間の動向を明示することによって,前期の実績を超えねばならないという「改善」のフィロソフィーをサポートし,予算上の目標と改善のためのアイディアを統合することで原価管理を促進するのである.これは現業部門の非財務的な評価をベースにするので,直前の意思決定のインパクトが反映されることになり,比較的はっきりしたフィードバックによって,資源の消費,資源の節約に関する未来の行動を導くのである.
日本管理会計学会の論文
1997-03-24