情報化社会の製造原価計算制度
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概要
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工業社会から情報化社会への発展に直面し,原価計算はいま大変革を迫られている.工業社会の原価計算である三要素原価計算は自動化工場において完全に有用性を失ってしまった.本論文では,自動化工場の原価制度をいかに再構築すべきかについて考察する.そして四要素原価計算制度を提案する.四要素原価計算の特徴は,次の諸点にある.(1)原価要素を取引形態別に「材料費」,「設備費」,「労務費」および「経費」の4要素に分ける.(2)設備費を「設備維持費」および「設備稼働費」の2要素に分ける.(3)製品別に操業時間を把握できる生産設備の費用につては,これを「直接設備費」とする.(4)直接労務費および直接設備費で直接加工費を構成し,これを「段取り費」および「主体加工費」の2要素に分けて計算する.(5)製品別に消費量を把握できる補助作業の費用は,これを「直接内部(複合)経費」として計算する.従来の伝統的直接経費は,これを「直接外部経費」と名づけて区別する.(6)その他の費用は,「間接加工費」および「製造管理費」の2つに分ける.(7)「副費」を把握し,これを「主費」へ加算する.
- 日本管理会計学会の論文
- 1992-12-25