調査船による沖縄周辺海域の観測(シンポジウム:サンゴ礁とその周辺海域の環境)
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概要
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近年沖縄周辺海域では夏季にしばしば高水温か観測され,マグロ類などの浮き魚やマチ類などの底魚を対象とした漁船漁業の不振や,造礁サンゴの大規模な白化現象が見られることがある.沖縄県水産海洋研究センターが調査船図南丸(となんまる)を用いて実施している海洋観測の結果等から,2007年春季〜夏季にかけての水温推移,過去10年間の変動傾向を概説する.2007年は,沖縄本島南部から慶良間諸島,久米島近海までの海面付近の水温は概ね平年(1997〜2006年)並みから低めで推移し,本島南部海域は高水温ではなかった.本島南部における海面付近の水温が,暖水渦の影響で高水温となったのは1997年以降3回あり,いずれも海面で30℃を超えたが,海洋内部の水温構造は異なっていた.これらの結果は調査船による現場観測等で明らかになるもので,今後もできる限り観測を継続する必要がある.
- 2008-08-29