自然科学分野における科学技術予測手法の近年の適用傾向
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概要
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技術予測は,科学技術政策や戦略の検討プロセスとして,1990年代以降に多くのOECD加盟国で実施され,その後アジアや南アメリカなどでも注目されるようになった。結果として,これら各国の異なる社会的・政策的ニーズを満たすべく,技術予測を実施する各機関は従来の手法を独自に発展させてきた。そのため,技術予測全体に関する知識体系は複雑化している。本稿では,技術予測を,目的,手法,対象とする自然科学系の研究分野(各技術予測手法の適用分野)の3つの観点から検討を試みた。技術予測は,科学技術政策の立案に資するデータの提供および検討を行うことを前提としながらも,科学技術・イノベーション政策に関する知識基盤の構築といった,いわゆるラーニングツールとして活用している例も多いことがわかった。また,各々の技術予測手法には各特性に応じた長所と短所があり,EUや北米,アジアといった各地域によって,使われてきた手法も大きく異なることがわかった。さらに,デルファイ法,シナリオ・プランニング,技術ロードマップに注目し,その3手法に関する自然科学分野における論文を分析したところ,その対象分野としては,デルファイ法は健康・医療分野,シナリオ・プランニングは環境・エネルギー分野,技術ロードマップは電気,半導体分野といったように,手法ごとに大きく異なっていることが明らかになった。
- 2010-05-14
著者
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