学校生活への参加が苦手な知的障害を伴う自閉症児の意思を尊重した支援
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概要
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本研究では、学校生活全般に参加することが困難な知的障害を伴う自閉的傾向のある生徒A児に対して、A児の意思を尊重し、A児と環境へアプローチを行い問題行動の低減とQOLを高めるために何が必要かを検討した。A児は支援開始前、活動の切り替えや意思表示が苦手で、バスの乗降車、排尿に相当な時間を要していた。そこで、教師がA児に問いかけたり、提案したりして、A児に選択する機会を与え、その選択した行動が出るまで待って対応した。加えて、教育課程を工夫したり、A児の興味のあるものを呈示したりするアプローチを行った。その結果、学校、家庭の場面において、言葉による意思表示や要求、やりとり、興味を示す活動に主体的に参加できる場面が増え、バス乗降車や排尿などの問題行動が激減した。さらに、余暇活動が増えQOLが向上した。この結果からA児の意思を尊重したうえで、選択機会の設定、待つ対応、興味のある活動の呈示などが問題行動を減らし、QOLを向上させるうえで重要であったと考えられた。
- 2009-07-30
著者
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