中朝同盟の形成動因に関する一考察 : 1961年中朝同盟条約の締結過程を中心に
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概要
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本稿は,1961年7月に結ばれた中朝同盟条約の締結過程を中心として中朝同盟の形成動因について主に中国の公開外交文書を用いて考察する。中朝同盟の形成についての従来の研究は韓国での軍事クーデターをきっかけに触発された安保上の危機を原因として挙げ北朝鮮の積極的な働きかけを強調してきた。それに対し,本稿は同条約の締結に際し北朝鮮が朝鮮半島の安保状況を危機として認識していなかったことを説明する。また中朝同盟は中ソ対立のなかで周辺国家との関係安定化を目指した中国の対外戦略の一環として形成され,同盟国の北朝鮮をコントロールすることが主な動因であったと見る。
- 2010-05-25