パーマーのオーラル・メソッド受容についての一考察 : 「実用」の語学教育をめぐって
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概要
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ハロルド・E・パーマーの理論と方法の受容の、日本における英語教育と日本語教育との違いについて、「実用」の語学教育という視点からの考察を試みた。パーマーの「実用」論は、英語教育そのものの存続が排撃されるような社会風潮のなかで、英語教師たちによる「教養主義としての英語教育」の主張の陰に、軽視されざるを得なかった。それに対して日本語教育においては、主として「実際家」ではない人々からの「政治性」や「文化性」がないという批判にさらされながら、会話を重視し「実用」目的で進もうとする「実際家」としての日本語教育専門家らの実用論と、パーマーの理論と方法は、基本的に整合していた。この違いについての論証を経て、日本語教授法の重要な一要素として現在まで引き継がれている「実用」性重視の思想に対し、時代の中で果たした役割を振り返ると同時に、日本語教育を取り巻く環境が大きく変わった現在にあって、その「実用」の意義の見直される必要性を論じた。
- 2009-07-20
著者
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