教室の中のコミュニケーションに関する質的研究 : 「笑い」の場面を通して
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概要
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本論は、日本語学習が行われている教室の中で、授業の参加者の間でどのようなコミュニケーションが行われているのか、その実態を明らかにすることを目的とする。コミュニケーションが行われている場面を抽出する手段として「笑い」を指標とし、笑いをとりまく相互行為が発生から終結までどのようなプロセスを経るのかを、文脈を含め、談話を詳細に観察することにより分析した。分析により分類された18の場面は、自分以外の人間の発話や動作によって引き起こされる「反応」としての笑いである「主に外部の誘因によって起こる笑い」と、場の雰囲気を穏やかに保とうとする主体がその判断によって自ら発する笑いである「主に笑う主体の判断によって起こる笑い」に大別できるが、どちらの場面にも、クラスの雰囲気や聞き手への配慮が見られた。また、現在の関係を基盤として、さらなる関係構築の足がかりとなるコミュニケーションを行う様子も観察された。
- 2008-07-30