非漢字系学習者に対する中・上級の語彙指導
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概要
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非漢字系学習者に対する中・上級の日本語学習では比較的短期間に語彙を増やすことが重要である。従来これは、主としてテキストの読解を通して行なわれるのがふつうであって、授業時間数の少ない場合では必ずしも効果的とはいえない。そこで逆方向、つまり、はじめにごく短いテキストで語彙、特に漢字語彙を集中して学ばせ、それから長文読解、聴解のスキルへと進めることを試みた。結果はプラス、マイナス両面あり、練習期間、後に何を続けるかなどが課題として残った。しかし、進歩を学習者自身が評価できる点や、未知語彙を減らすことによって、比較的早い時期から新聞記事やニュースに対して心理的な圧迫感が減じた点は評価できる。学習者の背景や目的、学習条件等が多様化している現在、語彙指導は、多様な学習状況に合わせて初級段階から再検討が迫られている。語彙教育の工夫、語彙習得の研究等が必要となっている。
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