低マグネシウム下テオフィリンによる心筋弛緩障害と新規ベンゾチアゼピン誘導体K201の改善作用に関する実験的研究
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概要
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左室弛緩, 拡張障害の発生機序については不明な点が少なくない. 本研究では筋小胞体におけるCa2+放出を促すメチルキサンチン誘導体テオフィリンを低マグネシウム下で投与し左室拡張,弛緩機能に及ぼす影響を検討した.6週齢ラットに低マグネシウム食(低マグネシウム群)または標準食(対照群)を1 ヶ月間飼育,テオフィリン5 mg/kg/分を15分間投与し,心拍数,左室収縮期圧(左室圧),ダブルプロダクト,左室拡張末期圧,左室圧一次微分の最大陽性dP/dt(+dP/dt),左室圧一次微分の最大陰性dP/dt(−dP/dt)を調べた.また,新規薬剤K201(0.1 mg/kg/分)の改善効果を検討した.結果,低マグネシウム下テオフィリン投与で,有意な左室圧の低下,−dP/dt の低下を認めた.+dP/dt と−dP/dtの関係はテオフィリン投与前では正相関を示したが,低マグネシウム下テオフィリン投与では相関を示さなかった.組織学的には心筋の収縮帯を認め,血中クレアチンホスホキナーゼ(CPK)値は有意に上昇した.K201は有意に−dP/dtおよび左室圧の低下,CPKの上昇を抑制した.以上より,低マグネシウム下のテオフィリンが心筋弛緩障害を起こし,リアノジン受容体安定化作用を有するK201がこの心筋弛緩障害を改善することが明らかとなった.
- 2010-03-25
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