慢性血液透析患者におけるLおよびT 型カルシウム拮抗薬エホニジピンのレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に及ぼす影響
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概要
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心血管系の組織障害の進展には,アンジオテンシンII およびアルドステロンなどのレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の因子が寄与すると考えられている.我々は維持血液透析施行中の末期腎不全患者に対し,カルシウム拮抗薬(CCB)であるエホニジピン治療およびアムロジピン治療のレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に及ぼす影響を比較した.維持血液透析施行中の高血圧患者20例を対象としてエホニジピン20-60 mg 1日2回投与あるいはアムロジピン2.5-7.5 mg 1日1回投与をそれぞれ12週ずつ行う無作為交差試験を行った.エホニジピン投与時とアムロジピン投与群時の血圧の平均値は151±15/77±8 mmHgおよび153±15/76±8 mmHg と同等であった.各治療期間を通して脈拍数には有意な変化がなかった.血漿レニン活性および血漿アンジオテンシンII濃度には両治療期で有意差は認められなかったが,血漿アルドステロン濃度はアムロジピン投与時と比較してエホニジピン投与時で有意に低値を示した(123±118 vs 146±150 pg/mL, p=0.027).維持血液透析患者の降圧薬治療において,エホニジピンはアムロジピンに比べ血漿アルドステロン濃度を低くすることにより心血管系の保護に有益である可能性が示唆される.
- 2010-03-25
著者
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