左室拡張障害の発生とその予防に関する実験的検討─ラット陳旧性梗塞心による検討─
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概要
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陳旧性心筋梗塞ラットで,ノルエピネフリン誘発性拡張障害を惹起させ,その発生様式ならびにリアノジン受容体安定化作用を有する1,4-ベンゾチアゼピン誘導体K201の改善作用を調べた.冠動脈結紮10〜13週間後,ノルエピネフリン(20 mg/kg/分)を30分間投与し,K201 投与群(n=5),非投与群(n=5),sham群(n=3)で,心拍数,左室収縮期圧,左室拡張期最小圧,左室拡張末期圧,+dP/dt,-dP/dtを測定した.K201(0.1 mg/kg/分)はノルエピネフリン投与中に10分間投与した.ノルエピネフリン投与により梗塞サイズと左室拡張期最小圧,左室拡張末期圧との間に正相関があり,K201は心拍数,左室収縮期圧,左室拡張期最小圧,左室拡張末期圧を有意に減少させ,非投与群との%変化率でも拡張能を有意に改善させた.以上よりK201は梗塞心におけるノルエピネフリン誘発拡張障害を改善させ,その作用機序としてK201のa 1受容体遮断作用に加えて,リアノジン受容体安定化作用による細胞内Ca2+負荷の改善が示唆された.
- 2009-03-25
著者
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