低マグネシウム下のカフェイン誘発性左室拡張障害の発生に関する実験的検討
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概要
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低マグネシウム下でのカフェインの左室血行動態に対する影響をラットを用い検討した. また,Ca2+結合蛋白質アネキシンVの細胞内の変化を検討した.6週齢ラットに低マグネシウム食(低マグネシウム群;n=6)または標準食(対照群;n=6)を1 ヶ月間与え,その後,カフェイン5 mg/kg/分を10分間静脈内投与し,心拍数,左室収縮期圧,左室拡張期最小圧,左室拡張末期圧,+dP/dt,−dP/dtを調べた.その結果,血行動態パラメーターは,カフェイン投与前では対照群と低マグネシウム群との間に有意差を認めなかった.カフェイン投与により,低マグネシウム群で左室拡張期最小圧および左室拡張末期圧の有意な上昇,+dP/dt の有意な減少を認めた.また,クレアチンホスホキナーゼ活性値の有意な上昇およびアネキシンVの心筋細胞内トランスロケーションや細胞外への逸脱を認めた.以上より,低マグネシウム下では心筋のCa2+感受性が変化し,さらにカフェインにより細胞内Ca2+の増加,心筋小胞体からのCa2+逸脱が心筋壊死を惹起させ拡張障害に発生させる可能性が示唆された.
- 2009-03-25
著者
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