底生系-浮遊系及び湾央域-干潟・浅海域の生態系連鎖とモデリング(シンポジウム:沿岸域の数値モデリング-海洋関連各分野での取り組み)
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概要
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干潟・浅海域創生,流入負荷削減,浚渫・覆砂といった施策は,生態系の連鎖的応答を介し,貧酸素化の改善,さらには,豊かな生態系の回復へと繋がることが期待される.内湾複合生態系モデルは,(a)現場調査や既往の知見を統合し,貧酸素化を考える上で重要であろう物理・化学・生物過程の1つ1つを解明していくという還元論的視点と,(b)各過程を機構的に組み合わせ,湾全体を干潟・浅海域生態系と湾央域生態系が時空間的に相互に連携した生態系として捉える全体論的視点,の2つの視点から,一連の生態系連鎖の仕組みと行方を解明する目的で開発された.本稿では,本モデルの開発と適用の際に基盤となった考え方を紹介し,その後,本モデルを現在の東京湾(干潟消失システム)と過去の東京湾(干潟復元システム)に適用し,貧酸素水塊の体積,高次生産性について比較した結果を示す.この結果は,底生系-浮遊系,干潟・浅海域-湾央域の連鎖をモデル化することによって見えてきた内湾生態系の特徴の一例である.
- 2010-02-26
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