定置網と漂流・漂着物(シンポジウム:流れ寄るモノの沿岸海洋学-海岸漂着物の現状・対策・未来-)
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概要
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函館市臼尻町(旧南茅部町)は,北海道・渡島半島の東端に位置する,美しい漁業の町である.前浜の海は,遠くアムールを出発する寒流(親潮)と暖流(黒潮)の出会うところであり,縄文の時代より今日に至るまで,豊かな漁獲に恵まれている.開基三百有余年,日本一の品質の真昆布にあわせて北海道大謀網(定置網)発祥のふるさととして,今日も盛んに漁が続けられている.野村水産は六代にわたる地縁を得て営々と自然の理にかなった伝統漁法による漁獲を続けており,学術的な見地から見れば定置網漁業は,沿岸の流れや地形を活かした漁法であり,開祖300年,北海道定置網の発祥の地での蓄積は,まさに長期モニタリングに匹敵する.北海道の噴火湾の漁場は,さまざまな海流による恵みがもたらされることから,そして沿岸海洋学上の好条件から,「沿岸環境モニタリング」としての貴重な知見や情報蓄積があると考えられる.
- 2008-02-29