大学英語教育への服飾系借用語の活用とその可能性 : -日本語の英語起源の借用語と英語との音声面における差異に焦点を当てて-
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概要
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初期の外国語学習においては,母語と学習言語間の言語的な距離が継続的な学習に大きな影響を及ぼすと考えられる。とりわけ,母語と学習言語間の類似語の頻度は,短期間で読解力を身につける上で決定的な条件となると同時に,学習者の学習意欲や自信という点で重要な役割を果たす。日本語と英語の間にも類似する語句が多数存在する。それらは英語起源の借用語である。英語起源の借用語の大学英語教育への活用は教育的効果を上げるための切り札と言えるのではないだろうか。大学の専門教科の中にはカタカナ化された借用語が氾濫し,それらの語句は専門性を語る上で不可欠と言えよう。学校教育法52条が謳っているように大学教育が専門教育の出発点ということを目標として掲げている以上,大学英語教育からも専門性が求められてしかるべきではないだろか。特に服飾領域においては他の専門領域と比べて突出した数の借用語が存在する。これらの借用語を大学英語教育に積極的に取り入れることによって学習者の語彙的負担を軽減することで学習の継続性を目指し,さらには学生の主たる関心事である専門領域の研究と英語教育の連携の可能性を本稿は探ることとする。