小砂丘忠義の綴方教育論 : 文章表現の機能を中心にして
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概要
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本研究では,小砂丘忠義のすべての綴方教育論を考察の対象にして,彼の綴方教育論の構造を明らかにしながら,彼の綴方観すなわち文章表現の機能に関する彼の見解を主に明らかにする。そして,小砂丘の綴方教育論からの継承と発展の観点を簡潔に示す。小砂丘が示した文章表現の機能に関する見解は,次のとおりである。ひとつの文章表現には8つの機能がある。第一に,実生活の認識を主体的に形成することである。第二に,批評を形成することである。第三に,プロレタリアイデオロギーを形成することである。第四に,目的意識と実証的且つ論理的な主張を形成することである。第五に,自治意識を形成することである。第六に,すべての教養と能力を活用して認識を形成することである。第七に,調査の成果を活用して認識を形成することである。第八に,意欲を形成することである。小砂丘の綴方教育論の追究は人間性の追究として行われた。その人間性は,主体性,共同性,これらを志向する意欲である。これらが,彼の綴方教育論の継承と発展の根本的な観点となる。そして,これらの観点から,彼の綴方観から継承して発展すべき諸点について詳細に追究して,その成果を問題解決の筋道に沿って構造化していくという課題が生じる。
- 2008-03-31