近世京都における複合名詞アクセントの史的変遷 : 和語から成る{2+3構造}の複合名詞について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中世後期から近世前期の複合名詞(和語{2+3構造})アクセントを、『平家正節』と「近松世話物浄瑠璃譜本」をもとに調査し、その結果を分析してみたところ、古代からの伝統をひくHHHHL(H4)型とHHLLL(H2)型とを基本とする体系から、近世前期にはH2型に統合しつつあったことがわかった。この段階では、複合名詞と前部成素との間の「式一致」はほとんどあらわれておらず、後部成素による複合名詞アクセントへの関与も認められない。このような同時代的要素が複合名詞アクセントに明確になるのは、史的変遷の過程としてみれば、「近松」の段階よりも後のことである。それ以後については、近畿中央式諸方言とも関連づけて、中世後期以降現代京都にいたる複合名詞アクセントの史的変遷を追ってみた。
- 2009-10-01
著者
関連論文
- 近世京都における複合名詞アクセントの史的変遷 : 和語から成る{2+3構造}の複合名詞について
- 金田一春彦博士年譜ならびに主要著作目録(林大 元代表理事・金田一春彦 元代表理事 追悼特集)
- 音韻(史的研究)(2000年・2001年における国語学界の展望)
- まえがき(日本語音韻史の新展開)
- 近世漢語アクセントの史的考察 : 漢字二字4拍の漢語について
- 日本語アクセント史研究とアクセント観(音韻史研究の現状と課題)
- 桜井茂治著, 『日本語の音・考-歴史とその周辺-』, おうふう刊, 2000., 712pp.