女性職域としての非正規労働 : 韓国の非正規労働をめぐって
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概要
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本研究は韓国の女性非正規雇用労働者に焦点をあて,女性職域がどのように選択されるかについて論じるものである。韓国では,通貨危機と世界同時不況を経て非正規化が深化しており,女性の側の選択は構造的に大幅に制約されている。2007年には非正規雇用の濫用防止と格差の是正を目的とした非正規雇用労働者保護関連法が施行されたものの現実とのギャップは開いたままである。そのような中でも,非正規雇用労働者の就業意識には正規雇用労働者と明確な違いがあり,非正規雇用の選択に「自発的」と見られるものを多く含んでいる。それは時に「戦略的」と呼ぶべきであろう。非正規雇用の選択要因は複合的なものであるが,非正規雇用を含む女性職域の選択はジェンダー・ステレオタイプを再生産するという点を含めて更なる検討を要する。
- 2010-01-31