イタリアにおけるパゾリーニ現象 -自身の研究をふりかえりつつ-
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概要
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詩人・小説家・映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニPier Paolo Pasolini(1922-75)をめぐるイタリアでの一連の社会的な現象について概括する。死後30余年を経ていまなお注目される存在であるものの、その都度スキャンダラスな死ばかりが話題となってきた。一方、近年では全集の出版などによりニュートラルな研究基盤が築かれつつある。著者のこれまでの研究もその地平に 置付けられる。またモラルの規範としてのマエストロ(師)像が作り上げられ、左派・右派問わず広範な支持を得ている。とはいえ生前は時代遅れの詩人とみなされ、1960年代の後半から「もと詩人」とでも呼べる姿勢で詩作に臨まなければならない試練にも直 している。ここではその一例、1970年の詩「瞑想の語り」を挙げる。