保育者を目指す学生の児童観の変化
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概要
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将来、保育関連の職業に就こうとしている学生が子どもの本質をどのように捉え、またどのようなイメージを持っているかを知ることは、保育者を目指す上で重要な要因と考えられる。本研究では現在、短大へ入学してくる学生が持っている児童観を明らかにするため質問紙を配布し学生の児童観について調べ比較した。また、先行研究との比較による学生の児童観の変化についても調べた。本研究の結果、保育科1年生と保育科2年生では「子どもの素質には遺伝によって決まるか」どうかについて差が見られ、「子ども時代の固有の見方や考え方がある」ということについて、先行研究との差も見られた。この差は2年間の実習が効果をもたらしたと考えられる。実習とは、理論的側面、技術的側面から学生自身が子どもに対する理解や実習施設への理解を深めていくことを、身をもって体得していく過程である。学生自身の保育者への資質を向上させていくためには、実習を通して意義や目的、保育者の役割、施設の役割などを理解し、自己課題を明確にしていくことが必要である。保育実習を経験することで、子どもと子どもに関わる状況への理解がより深まったこと、また就職活動、卒業への準備などを通して2年生の方が子どもについての考え方が具体的にかつ明確になっていることを示すものと考えられる。