常勤保育者と学生の保育者効力感の比較
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概要
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保育者効力感は、子どもに対する援助能力を高める重要な要因であると考えられている。本研究では、保育経験の少ない学生の保育者効力感を上げるためには何が必要かを探るために、保育専攻学生と常勤の保育者効力感尺度を比較し、学生と常勤保育者の違いを分析した。学生に質問紙を配布し、保育者効力感尺度を調べた。先行研究から、常勤保育者の保育者効力感は1つの因子から構成されていたが、本研究の結果、学生は指導案を書く、月案を立てるなどの一斉保育の因子と子どもを目の前にして関わる因子の2つの因子に分かれた。学生の保育者効力感が2つの因子に分かれた理由は、学生は遊びを考え、全体を動かす設定保育などの経験不足や実習で担当保育者に直接、指導案の書き方など子どもとの関わり方とは別に指導を受けた経験があるからと考えられる。また、実習だけでは見られない部分があり、大学での講義の内容が上辺だけの理解になりがちであることも理由として挙げられる。よって学生は実習の際など現場を見ることができる時にできる限り保育全体を生で感じ、実感できるようにすると、講義の内容を振り返った時、上辺だけの理解になった内容を理解でき、結果として、保育者効力感も上がる。