遊びの今昔
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概要
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本研究では、遊びの種類の世代間の違いや、子どもが一人で遊びに出かけることに対しての意識について調べた。保育者を志望する学生とその保護者、幼稚園児をもつ保護者に対してアンケート調査を実施した。その結果、遊びの種類について世代間で大きく差が見えたのは、「テレビゲーム」であった。1980年前後に家庭に普及しだしてきたこともあり、30代以降は「全く遊んでいない」に回答が集中した。それに比べ、20代前後の学生は「非常によく遊んだ・よく遊んだ・ときどき遊んだ」に回答が集中した。また、明治時代から子どもの遊びとして普及していた「メンコ」では、調査を行った20代から50代前後の世代間共通で「ほとんど遊んでいない・全く遊んでいない」に回答が集中した。固定遊具(すべり台やブランコ等)はどの世代でも「非常によく遊んだ」に回答が集中した。子どもが一人で遊ぶことについて、学生および保護者の79.9%は不安に思っていると回答した。その理由として、学生のほとんどは「不審者が多いから・誘拐や殺人が増えたから」と犯罪を意識した回答が多かった。保護者では、犯罪を意識した回答のほかに、「交通事故・判断能力が乏しい・友だちとのトラブル」など視点が違う部分がわかった。遊びは世代間の違いもあるが、世代を超えて遊ばれ続けているものもある。新しい遊びが増える中で、伝統的な遊びは遊び継がれているというよりも風化している傾向にあった。子どもが一人で遊ぶことについてでは、親になってわかる視点の問題であると示唆された。子どもの安全や命を守ることは共通であるが、学生と保護者では異なる視点を持っていることが示された