人間関係トレーニング技法の開発と実践 -三年課程看護学校学生の場合-
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概要
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本稿は、厚生労働省の人間関係を重視した看護師教育カリキュラムの改正にともない、看護学校現場からの要請により人間関係論の一環として実施した人間関係トレーニングの報告である。この人間関係トレーニングの目的は、参加者たちが看護学校生活にうまく適応することであり、そのための対人関係スキルの習得と改善である。そのために、ラボラトリー方式の体験学習と集団決定法を取り入れた対人関係トレーニングを組み合わせた人間関係トレーニングを実施した。参加者は、Kuhn & McPartland(1954) が開発した、「私は誰だろうか?(who am I?)」という20答法(Twenty Statements Test:TST) に回答する個人作業よって、客観的な自己分析を行った。そして、「私がなりたい看護師」というテーマでブレインストーミングとKJ法によるグループ・ワークを実践し、その過程で体験学習の循環過程(EIAHE')を体験した。最後に各参加者は、「私がなりたい看護師」を目指して集団決定をした。質問紙による事後調査の結果、肯定的反応が高率(73%〜96%) であったことを考慮すると、この人間関係トレーニングは成功したと言えよう。