実物資産の非流動性と家計の資産選択
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概要
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この論文では, 日本において中古住宅市場が活発ではなく, 住宅等の実物資産が著しく非流動的な資産であることが, 資産の半分以上を実物資産が占める日本の家計の資産選択の行動に影響を与えているか否かを検証した. 検証方法は, 中古住宅市場の発達度を取引コストに反映させ, Grossman and Laroque (1990) の理論モデルに適用した. そして, 2000 年の個票データ (NEEDS RADAR) を用いて検証した結果, 取引コストとして表される住宅の非流動性は, 日本の家計の資産選択の行動に影響を与えてはいるものの, 実物資産にかかる取引コストだけでは, 日本の家計の資産選択の行動は説明できないことが判明した.
- 2010-03-31