シューベルトのピアノソナタと交響曲
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概要
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フランツ・ペーター・シューベルト(1797〜1828)は、その31年の生涯で、1000曲近い作品を残している。幼い頃から家庭で室内楽を楽しみ、合唱団の中で歌い、オーケストラではヴァイオリンを弾き、また指揮もしながら、そこで演奏されるハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらに影響を受け、また充分に意識をしながらも独自の音楽を生み出していった。それらの作品の中で演奏可能な形で残っている交響曲を8曲、ピアノソナタを23曲書いているが、ここでは、演奏される機会の少ない初期の交響曲から、第8番「ザ・グレート」に至る変遷と、最後のピアノソナタであるD.960を取り上げた。大きな構造を持つ2つのジャンルをみていくことにより、古典主義とロマン主義の橋渡しのように存在するシューベルトの豊かなアイデアの共通性をさぐった。