第75回東京女子医科大学学会総会シンポジウム「季節性インフルエンザと新型インフルエンザ」(4)都立墨東病院における新型インフルエンザ対策の実際
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概要
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2009年4月以降世界的大流行している新型インフルエンザに対し、第一種感染症指定医療機関である自施設で行ってきた対策の概要を述べる。、5月時点では新型インフルエンザウイルスの病原性や感染経路が不確かであったため、致死率が高いウイルスを想定して標準予防策に加えて空気・飛沫・接触感染予防策をとった。その後、新型インフルエンザウイルスの病原性、感染経路が明らかになり、対策を見直し、現在は標準予防策に加えて飛沫感染予防策をとっている。、対策の基本方針、対策はインフルエンザ対策本部で決定し、全部署に周知した。患者の診察は感染症科外来で発熱外来を行い、検査、レントゲン検査等も可能な限り外来で行えるようにした。また、新型インフルエンザ患者とそれ以外の患者との接触頻度を最小限にすることを目的に、患者動線の区別や発熱患者トリアージを行った。7月10日発熱外来の廃止後は一般外来で診察を行っている。、入院中の患者や職員から発熱、インフルエンザ様症状を認めた場合は速やかに診察、検査を行い、患者の個室隔離、職員の就業制限、接触者のリストアップ、症状観察、ハイリスク者への予防投与等の二次感染拡大防止対策をとっている。特に職員の健康管理には留意し、有症状時の報告を迅速に行うよう周知している。この報告体制は、外部委託業者職員や全職員の家族に対しても同様の報告を受けている。、5月当初対策は、ウイルスの病原性や感染経路、流行の程度が不確かであったため、過剰になりがちであった。ただし、ウイルスの正体が明らかになるに従い対策を見直し変更してきた。新型インフルエンザの流行は今後も続くと考えられるが、柔軟に対応できる外来・入院診療体制の準備と、対応する職員全員が適確に行える対策の確立、遵守が重要と考える。今後は、ますます増加するが患者に適切に対応するために、地域の各医療施設の医療連携の強化が重要と考える。
- 2010-02-25
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