高齢期の住まい方への援助についての一考察-高齢者の主体性に着目して-
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概要
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高齢者の多くは、自宅で最後まで暮らしたいと願っているが、家族に介護の苦労をさせることにためらいもあり、介護保険施設への入所を申し込む人もいる。しかし、高齢期は、すぐさま要介護期ではなく、むしろ大部分は介護を必要としない。今後、「在宅」と「介護施設」という選択だけではなく、さまざまな事情により在宅で暮らせない高齢者や自立して生活しようとする高齢者への多様な住まいの施策は、より一層必要となるだろう。 そこで、団塊の世代を中心に高齢期の住まい方についてヒアリング調査を行った。団塊の世代に注目したのは、その数の多さゆえに、介護に大きな需要をもたらし、社会から大きな関心をもたれると考えたからである。 ヒアリング調査の結果、(1)住まい方は自己で選択する、(2)家族とは時々楽しい時間を送りたい、(3)地域や友人と交流したい、(4)介護や施設などの情報が欲しいの 4点が見出された。これらの点について考察したい。