CRTディスプレイを用いた新しい光刺激装置および網膜水平細胞からの光応答の記録(橋本葉子教授退任記念論文集)
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概要
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網膜神経細胞からの細胞内応答を記録する際に用いる,CRTディスプレイ組込型光刺激装置を開発した.本装置では,ディスプレイ上に表示した画像を網膜面に硝子体側から結像する.画像の大きさ,明るさ,持続時間などはプログラミングでコントロールできる.本装置の有効性を確かめるための実験を,硬骨魚類網膜の水平細胞を対象として行った.最初に,画面全体を白色で表示し,フラッシュ状に網膜に照射した.画面の光強度を大きくしていくと応答振幅も増大し,表示できる最も明るい画面に対しては応答はほぼ飽和した.したがって,CRTディスプレイの光強度は水平細胞の動作領域をカバーしているといえる.次に,水平細胞の受容野を調べた.網膜面を小さな四角形で二次元的に走査することにより,水平細胞の受容野が空間的に対称であることを最初に示した.スリット光を用いた実験では,受容野とスリット光強度との関係を調べた.受容野の拡がりはスリット光強度に依存し,その空間長さ定数は微弱光に対しては320(±57,n=24)μm,最も明るい光に対しては980(±205)μmであった.
- 東京女子医科大学の論文
- 1997-05-25
著者
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