高齢者大腿骨転子部骨折のCompression Hip Screw方法 : 固定角度の体動歩行能力への影響および体動歩行能力の変化
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概要
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大腿骨転子部骨折に対するlow angle compression hip screw(135°CHS)法とhigh angle compression hip screw(150°CHS)法による治療後の作動歩行能力の比較をすることと,更に,CHS法による治療前後の体動歩行能力の変化を観察し変化に影響する因子を検討することを目的とした.CHS法を用いた60歳以上の患者130例(135°CHS 83例, 150° CHS 47例)を対象とした.評価項目は,体動能力関係のX線所見での項目,受傷前と退院時の体動歩行能力(社会的行動能力をも含めて)を使用した.評価項目について135°CHS法と150°CHS法の両群を比較するために,多変量間の交絡などのbiasを回避すべく多変量解析も援用して統計学的に解析した.その結果,受傷前の独歩能力維持率の項目で135°CHS法と150°CHS法間の有意差が見られたが,角度の差は独歩能力維持率を含めて体動歩行能力には影響していなかった.体動歩行能力は退院時には受傷前よりも全体的に低下していた.変化に影響する因子としては,年齢・入院時合併症・続発症が多かった.理論上からも,また諸家の実験的研究からも,角度の差が原因となって両群間に有意差の生じることが予想されるlag screwのsliding距離に有意差は認められなかった.また,sliding距離は体動歩行能力には独歩能維持率以外には影響していなかった.
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