高齢者のがん告知に関する研究の動向と今後の課題
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概要
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本研究は,高齢がん患者への告知に関する研究の動向と課題を明らかにすることを目的にがん告知に関する国内および国外の文献を可及的範囲で検索し,国内68件,国外75件の文献について整理・検討をお粉た者である.国内では,1990年代に件数がピークに達しており,国外では,1990年代後半から2003年にかけて多数の文献が抽出された.研究テーマは,国内・国外ともに「告知の捉え方」に関するものが多くを占めていた.しかし,内容を比較すると,国外では1990年代後半から,告知されていることを前提に,インフォームド・コンセント(以下,I.Cと略す)に関する倫理的問題,新しいI.Cツールの作成や評価,患者の心理の質的分析などに取り組んでいるのに対し,日本では1990年代前半まで,告知の是非自体をテーマとした研究が多く,I.Cに関しては理解度を調査することにより,ケアの方向性を見出すものが多かった.また,国内・こくがいぶんけんともに,対象を「高齢がん患者」と限定した研究はごくわずかであった.今後,わが国における高齢がん患者への告知に関する研究の課題は,1.日本における高齢がん患者に適切なI.Cと意思決定に関する研究,2.告知,意思決定に関する倫理的問題とその対策,の2点であると考えられた.
- 新潟県立看護大学の論文
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