「韓流」と日本における韓国系キリスト教会 : 日本人メンバーの複層化に着目して
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概要
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近年、韓国系教会においては、聖霊体験や現世利益を求める日本人信者たちと、「韓流」との接触を目的とする日本人たちが存在するようになり、過去に例のない教会参加者の多様性を見せている。そのため、韓国系教会では、教会への帰属意識を持つ「信者」と信者になることに抵抗感を持つ「非信者」、そして信者と非信者の間に位置する「信者周辺」というメンバーの複層化が顕在化している。このような複層化は、韓国人および韓国文化に接したい「韓流」ファンたちの強いニーズだけでなく、韓国系教会の宣教方法と韓国人信者の協力が重なり合うことによって生じている。一方で、こうした複層化の背景には、日本での「韓国」に対するイメージの変化があるのではないかと考えられる。本稿は、こうした韓国系教会におけるメンバーの複層的構成を明らかにすることで、現代日本社会における韓国系教会の宣教活動を検討するものである。
- 2009-06-06