肥満患者における血管内容量は少ない : 血管内容量とCTにより算出した非脂肪重量の関係
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概要
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〔背景〕患者の正確な血管内容量の推定はこれまで困難とされてきた.基礎代謝のおよそ99%が非脂肪組織で行われるにも拘わらず,心系数においては脂肪の影響は考慮されておらず,特に肥満患者においては適切でない値を推定している可能性がある.本研究ではCT画像を用いて脂肪の影響を除外し,血管内容量を推定する方法の有効性を評価するのが目的である.〔方法と結果〕CT画像より脂肪重量が得られ,体重より脂肪重量を引くことで非脂肪重量を算出した.血管内容量は人工心肺の記録から血液希釈法にて得た.非脂肪重量と血管内容量の相関関係を評価し,統計学的解析を行った.その結果,非脂肪重量と血管内容量には強い相関関係を認めた.〔結論〕CT画像により算出した非脂肪重量は血管内容量と良い相関を示した.今回の結果を考慮すると,肥満患者の血管内容量は低いと予想され,Swan-Ganz catheterにより得た肥満患者の心系数も過小評価している可能性がある.
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