土地担保制約下の経済における人口変化の影響
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概要
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人口の変化は、資産価格に影響を与えるが、加えて、信用制約経済では資産価格チャネルを通じて、経済に影響を及ぼすと考えられる。本稿では、Kiyotaki and Moore(1997)型の土地担保制約のある経済モデルを構築し、人口変化がマクロ変数に及ぼす影響をインパルス反応を用いて検討する。分析の結果、人口の変化は、生産関数の形状によって異なる影響を経済に及ぼすことが明らかになった。資本と土地が代替的な生産技術のもとでは、人口の増加は、地価と金利を上昇させるが、その効果は短期的である。企業家一人当たりの借入額は減り、企業部門全体で土地の保有を減らし、経済全体の資本と生産の増加は小さい。他方、資本と土地が補完的な生産技術のもとでは、人口の増加は地価と金利を長期的に上昇させる。企業家一人当たりの借入額は増え、企業部門全体で土地の保有を増やす。経済全体で資本や生産が大きく増える。
- 2010-03-15